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徳の得

徳を積み、正々堂々とした人間として生きる。

素晴らしい行動をして、なおかつそれを他人に誇示することもなく生きることができる人間は、いわゆる徳の高い人間であると評される。

徳の高い人間は、徳の高い人間として生きることに関して損得の感情を持ち込んでいるのだろうか?

徳の高い人間であるべきであるという感情に対して損得を持ち込んだ時、比較的損をする行動の方が徳の高い行動であると取られがちである、自分から損を取りに行くことこそがこの国では徳が高いと見られがちであり、損して得とれならぬ損して徳とれの状態となっている。

では得を取って徳を捨てた場合はどうだろうか?

得を取って徳を捨てた人間たちは、いざそれに関係あろうがなかろうが、不幸な目にあったときにあの時徳を捨てて自分が得を取ったからばちが当たったのだと神にその不幸の責任をなすりつけたがるのである。この場合、人々は徳を捨てたことにより得だけではなく言い訳をも手に入れることができる。これは生きていく上であまりにも便利な考え方であり、人生そのものの拠り所とできる神という存在を手軽に認知できる瞬間でもある。

得を取って徳を捨てる人々は実は得だけではなく子の拠り所も確保することができ、徳を捨てるという行動はまさしくお得な交換なのである。